その時点で、時間は午後1時47分だった。
『モバイルでチェックインした時に確かBoarding の時間が午後2時50分位だった筈だ!往復で早くても1時間だから、多分タクシーが空港を出たのは1時40分位の筈だから、うまくいっても午後2時40分か~。出発も午後3時20分だったよな~。マジきついな~。』
さっきのルイスとの電話の切り際に、
『タクシーの運転手に他のタクシーに女の人を任せて空港に戻るようにも頼んでみるから、さっき降りたところで待っていて!来るまで待っていて!あなたの事は白のジャケット来ていて、顔も覚えているって言っていたから!』
と言われていたので、
『もしかしたら、すぐにUターンで戻って来るかもしれないから、降りたところに戻っていよう。でも、ここを離れたら誰とも連絡が取れなくなるけど、仕方がないなぁ~。』
とは思ったが、空港施設の外に向かった。
さっき降りたところより、出発階の一番端まで行った。
『一番目立つ処で待つしかないな!運転手に分かりやすいように!』
時計を見ると、午後1時50分だった。
花壇に座り込んだ。
でも、気になって立って待つ。
また、花壇に座る。
みたいな感じでそわそわする。
午後2時になった。
『さすがにお客さんを他のタクシーに任せては来れないよな~。他のタクシーに俺の iPhone 渡しても俺の顔も分からないから、ありえないし~。』
と長期戦を覚悟した。
『俺がタクシーの運転手ならどうするか?』
『お客さんの立場だったらどうしたか?』
等と考えながら、タクシーをひたすら待つ。
タクシーの一台一台をチェックした。
時計を何度も見返し、午後2時10分、15分、20分、25分、30分
『さすがに、飛行機変更手続きするか~。でもそれにはカウンター行かなければできないし、ここを離れる訳いかないし。参ったな~。』
と本気で乗り遅れることを想定しての事を考え出した。
午後2時35分、40分
『もうさすがに無理だな!』
41分、42分、
43分!
一台のタクシーがパッシングしながら、近づいてきた!
『来た!』
すぐに用意をしていたHK500$を渡して、iPhone を受け取った。
全力疾走!だ。
靴擦れなんて言ってられない。
可能性は、まだある。
登場時間の7分前。
つづく