返してきた言葉を皆さんにご紹介する前に、その女性の見た目の雰囲気・感じを伝えたいと思うのだ。
後ろ姿からの印象というと、髪の毛には少し茶色が混じったパーマが掛かっていて肩までの長さがある、ちょっとヤンキー系の感じではあるが、私達の時代のヤンキー女とかコテコテの水商売風でもない。
着ている服装はデパートの化粧品売り場にいるような印象の女性だ。
『何?何がバカ?バカってなんですか?』
との問いをしながらも、普段会社の皆に、
『人間性を高めなきゃダメだ!』
とか、
『幸せを掴む為には、心のコントロールをしなきゃだめだ!』
と声高々に言っている私的には、窓を開けて上記の言葉を掛けた事に一瞬の間で自分に対して後悔の気持ちを感じていた。
もちろん、未成年の頃であれば多分、今頃車から降りていて自分からもっと面倒なトラブルをつくっていたとは思うが・・・・・・・。
そこは、何とか回避をしたが、
『何?何がバカ?バカってなんですか?』
は、口から出てしまった。
その時、その女性が返してきた言葉は、私の想定を超えていた。
想定外の言葉だ。
想定していた言葉は、金八先生の第一シリーズの三原じゅん子が言った、恥ずかしい位のヤンキー的な
『顔は、ヤメナよ。ボディにしな。ボディに!』
みたいな口調で
『あ~っ、クラクションがうるせ~んだよ!』
ヤクザもんの女みたいに、
『誰にアヤ掛けてんだよ!』
みたいな、ヤカラが言ってくるような言葉を想定していたのだ。
『何?何がバカ?バカってなんですか?』
その女性が返してきた言葉は、思いっきり突っ張った口調ではあったが、
『バカでないんなら、天才ですか?』
だった。
はっきり、言って意表をついた。
昔ならもちろん問答無用に、この流れの中での言葉として喧嘩売られてると0.00001秒で思った筈だ。
その瞬間、車から降りていただろう。(笑)
でも、お陰様で少しは心のコントロールが出来るようになった私。
すでに、ブレーキを踏んで助手席の窓を開いた事にさえ、後悔を感じていた事もあり、
『この野郎!』
と
『語尾敬語?』
が一瞬で頭をよぎり、
『バカでないんなら、天才ですか?』
の
『ですか?』
をこの女性は、敬語を使っているのだから、口調はきつかったが、俺の勘違いだ。
『そうだ、俺の勘違い!』
『俺の勘違いだ!』
と心を落ち着かせ、何とかその場を立ち去ったのだ。
と云うダメな私と云うお話でした。
それにしても、この切り替えしの言葉を吐く女性!
大した度胸だ。
よっぽど、機嫌が悪かったのか?
クワバラ、クワバラ。
チャンチャン!でした。