自分の原因の抗争事件で仲間の30人を超える人間が逮捕されて、鑑別所や少年院等に送られて行くのを見て行くのは本当につらい事だった。
普通に生活をしていた人には全く縁がない事だと思うので、少し詳しく書いてみたい。
警察が逮捕状を検察から取って、その有効は48時間。
つまり、2日間だ。
逮捕されて、警察で取り調べをされて検察に送致される。
そこで、そのまま出れるか、10日間の拘留が決まる。
少年の場合は最大で20日間の拘留と決まっている。
すなわち、最大で22日で家庭裁判所で審判が行われる。
そこで、外に出すか、観察を必要とするかを家庭裁判所で審判判断されて、まだ観察を必要とすると鑑別所に送致される。
鑑別所も最大で28日間。
その間に鑑別所の中での生活態度やテストで外に出しても大丈夫か少年院に送るかが決まる。
少年院も初等少年院、中等少年院、特等少年院、医療少年院に分かれる。
初等少年院は、中学生や16歳に満たないものが送られる。
それ以上のものが、中等や特等に送られ、心身の問題があるものが医療に送られる。
その中でも、短期や長期と別れていて、刑が重いものを受けたものが胸を張るような感覚で一般社会と違う不良少年達の価値観だ。
例えば、大学で法曹界ならば中大が凄いとか、薬剤師ならどこの大学だみたいに自分の入った少年院と刑期の長さを自慢のように話をしたりするのがステータスみたいになっていたのだ。
鑑別所なんていうのは、いわゆるションベン刑みたいに言われるのだ。
『なんだ、鑑別パイかよ！』
みたいな感じだ。
一般の人には理解出来ない価値観だろうと思う。
東京には練馬鑑別所が古くからあり、私たちの頃に八王子鑑別所が出来た。
このブラックエンペラーとの抗争事件で逮捕された八王子の人間は皆八王子鑑別所に送致をされた。
抗争相手は、練馬鑑別所に送られた。
当時、八王子にはMICKEY'S、SPECTER、影があった。後輩ではKING RATと云うグループもあった。
各地域に様々なグループがあった。
三多摩だけでも日野にはROUTE20日野、ROUTE２０聖跡桜ヶ丘、高幡不動ALLEY CAT'S、豊田MAD SPECIAL、立川には地獄、国立・国分寺・小平・東大和・武蔵村山にはブラックエンペラー、昭島はB-ONE、町田は、町田SPECTER、魅孵り美人、調布は調布ROUTE２０、府中は椿連合、ROUTE20多摩霊園、清瀬は悪辣、三鷹には三鷹SPECTER、纏連合、HUNNG TEN、みたいにたくさんあった。
鑑別所や少年院にはそういう連中が入っていて、施設の中でも自分の男を売ろうと争っている感じだ。
一般の方々には、バカらしい価値観だろうが、当時の私達にとっては一番大事な価値観を守る為にいつも闘っていたのだ。
つづく